プライベートジェットに人気が集まる理由

高まるプライベートジェットへの人気

プライベートジェットやチャーター便が富裕層の間で急速に人気が高まっています。特に2020年、商用機に比べて、管理の行き届いた環境下で、緊急ないし不可避の渡航を行う上で、プライベートジェットは大いに役に立っています。

プライベートジェットの問い合わせ、新型ウィルスで急増 – BBCニュース

もともと、富裕層の間では、空港ターミナルでの混雑を避け、また大衆に姿を見られることなく渡航ができる、プライベートジェットに対してはそれなりに支持がありました。

今回の新型コロナウィルスの流行により、「人とあまり接触をせず」「列に並ばずに検査を受けられる」ため、プライベートジェットはその魅力が再確認されているのです。

機内では商用機では空調は全体を駆け巡るため、乗客が多いほど効率は悪くなりますが、プライベートジェットの場合、密度も低く、また乗客の人数もコントロールが可能となります。このことは渡航自粛可においても、しっかりとした感染症対策ができていることによって、往来に伴う地域への感染拡大リスクをも低減することができることを意味しています。

プライベートジェットに人気が集まる理由

商用機ではなくプライベートジェットを選ぶ理由は他にもあり、通常、商用機でビジネスクラスやファーストクラスを利用していた乗客にとっても商用機でのサービスレベルの低下を懸念しているようです。

富裕層にとっては、パンデミックの影響を低減するのにコストをかけることは厭いません。避難シェルターを購入したり、田舎に避難したり、子供のためにプライベート教師をつけたりします。

とはいえ、プライベートジェット費用が決して安いわけではありません。もちろん自家用機を保有する富裕層もありますが、プライベートジェットもシェアが可能です。一部のルートだけ、あるいは一部の期間だけプライベートジェットを限定的に利用する権利を得る者もいます。

プライベートジェット業界としては、新型コロナウィルスの影響を軽減するための宣伝をうったわけでもなく、自然とニーズが増加しているとしています。また、短期的なメンバーシップの利用などでプライベートジェットの魅力に気づいた利用者からは、将来的な購買意欲も確認されているようです。

Private jets popular : Demand is back near pre-pandemic level – Los Angeles Times

2020年の夏はプライベートジェットはいかが

2020年の夏を迎えるにあたって、夏の休暇シーズンは大きく影響を受けています。航空機の便数が限られるなか、多くの人は車や電車で国内の旅行地に向かう傾向がありますが、一方で、座席が限られ、事前にCOVID検査を受けられるプライベートジェットは新しい渡航手段をして注目されているのです。

例えば、チャーター機を運営するAirXは英国民がカリブ海のバルバドス諸島で夏を過ごすための往復航空券を$10,000(約100万円)で販売しています。A340の機体は超ラグジュアリーで全ての座席がファーストクラスで構成されており、あだ名が“BIG”と名付けられています。

AirX Airbus A340 private jet offering $10,000 London-Barbados flights – Business Insider

日本でのプライベートジェットの利用状況

日本では、最近だと武漢からのチャーター便や、カルロス・ゴーン被告のプライベートジェットによる逃走劇などが印象に残っているかもしませんが、日本でも利用している富裕層や会社は少なくはありません。

ただ、機体の登録となると、海外で登録した方が経済合理性があるケースが多いので、“日本に登録がある”機体は多くありません。また、所有という観点だと、先に述べたとおり、機体のリースや利用メンバーシップもあるので、全体の中ではさらに少ない傾向があります。年間利用時間を踏まえての利用形態決定になりそうです。

また、受け入れ空港としても、このような利用レベルにおいて十分な態勢を構築しているとは言い難いところもあり、日本はこの点は諸外国に劣っていると考えられ、改善が期待されているところです。

ビジネスだけでなく、富裕層の観光やレジャーでの利用、あるいは著名人(スポーツ選手等)の移動手段として幅広く利用が期待されるだけに、今後の日本での利用動向にも注目が集まっています。

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