ファンドラップを解約する前に考えるべきこと

相場が大きく動いて損失を出し始めたとき、人は”損切り”を考えます。自分で運用していた場合はもちろんですが、ファンドラップのような投資一任しまっているものについても決してその例外ではないのは、少し不思議かもしれません。しかし、現実にファンドラップの解約に動く例は後を絶ちません。もしこの記事を読んでくださっている方がいるとしたら恐らく「解約前」だと思いますから、そうした方々が考えるべきことについてまとめてみたいと思います。

そもそもファンドラップとはどういうものだったか

「ラップ口座」「投資一任」「ファンドラップ」など、これらの言葉は流行語のようになった時期があり、そろそろ5年くらい経ちますでしょうか。一括投資でかつ最低金額が数千万円からというハードルが多く設定されましたので、”ちょっと違う”投資手法として純粋に利用を始めた人もいると思います。サービスとしてはその後も浸透をし、日本投資顧問業協会の公表データに基づくと、ラップ口座の利用残高は約1兆円(平成26年)から約8兆円(平成30年)となっており、約8倍の伸びであり、金融機関の販売戦略としては成功したと言えるでしょう。一方で、そもそも投資家の側にとってはどのようなサービスだったのでしょうか。もし契約書をお持ちなのであれば、まずその契約が「自分の思っていたとおりのものだったか」を考えてみることからスタートしてみると良いかと思います。

一般には、ファンドラップというのは、

  • 一定の数の投資信託の選択肢が存在する
  • 投資家毎に投資戦略のタイプ(積極型、バランス型、リスク抑制型等)が決まっている
  • 投資一任運用にかかる手数料が年率1〜2%程度かかる
  • 解約手数料が場合によっては追加でかかる

などが特徴だと思います。

ファンドラップを解約する前に考えるべきこと

1 他のファンドラップ口座と比べてみる

ファンドラップ口座自体を比較したいと考えることは自然です。実際、金融機関毎に運用手法は異なります。気をつけたいのは、他のファンドラップ口座の過去のリターンを入手できたとして、それが現在のファンドラップ口座よりも結果がよく見えたとしましょう。それでも、その金融機関が”優秀である”かどうかは正直判断が難しいです。なぜなら、同じ運用手法が未来永劫上回ったリターンをあげるかどうかは分からないからです。たまたま投資していた資産が”当たった”だけかもしれません。

この大前提を理解した上で、他のファンドラップ口座と比較することには意味があります。何が良くて何が悪かったのかを知る手がかりにはなるからですね。

2 金融機関の運用手法について検証してみる

ファンドラップの運用の基本は金融機関へお任せです。なので、結果しか見ない人が多いのが実態ですが、もし解約を考えるのだとしたら、そもそもその金融機関はどのような運用手法を選んでいたのか、思い出すことができますか。もしできないのだとすれば、結果だけでなく”プロセス”についても検証してみましょう。ひょっとしたら、優れたプロセスを経たとしてもいい結果に結びつく経済環境でなかったのかもしれません。

3 ファンドラップを契約した動機を振り返ってみる

翻ってご自身の話です。なぜファンドラップを契約したのでしょうか。契約当時にご自身が考えたこと、動機を振り返ってみましょう。珍しいサービスにいち早く飛びついたのかもしれませんし、自分で運用を考えるのと比べて楽ができそうだという算段が会って始めたのかもしれません。特に考えていなかったが、当時話した金融機関の人が勧めてくれたからやってみようかと思っただけなのかもしれませんね。動機を振り返ることで初心にかえって、自分自身が一体何をファンドラップに期待していたのかを整理してみることが大事です。

4 ファンドラップを提供する金融機関の人と話をしてみる

ファンドラップは金融機関が提供しているサービスの一つです。ならば、サービスを提供している金融機関の人に聞いてみるのが一番です。ひょっとしたらファンドラップというサービスについてご自身が誤解していることがあるかもしれませんし、金融機関の人とコミュニケーションができることもサービスの一つであるかもしれません。疑問等がなくなるまでとことん話した結果、実はそれだけで満足する、といったこともないわけではないのです。

5 ファンドラップを解約すべき理由を整理する

サービスなので解約することはご自身の権利です。しかし、一体何がダメだったのか、その理由がご自身の中で整理ができていない状態で、思いつきのように解約することはお勧めできません。結果的にはこじ付けでも何でも構わないので、「こう思ったから解約する」という答えを持っておきましょう。それによって、次にどのようなアクションを取るべきかが自ずから見えてくることでしょう。

検討した結果、それでもファンドラップを解約するか迷う場合

例えばもう半年間だけ、と決めて様子をみてみるのは有効かもしれません。運用リターンが落ちたのは市場が不安定だったからだけかもしれませんし、あるいは自分が冷静になれておらず、時間が経ったらそんなに気にならなくなった、という話は十分あり得そうですよね。